第2章 必修教科等の研究 2 社会科 キー・コンピテンシーの概念を取り入れた社会科学習 : 国民の司法参加「最高裁判所裁判官を審査する」の授業実践
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概要
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知識基盤社会やグローバル化が一層進む現代において,社会科学習を通して世界や日本に関する基礎的教養を培い,国際社会に主体的に生き,公共的な事柄に自ら参画していく資質や能力を育成することが求められている。そのためには基礎的・基本的な知識・技能や概念の習得とともに,思考力・判断力・表現力等を確実に育むための言語活動の充実を図り,社会参画に資する意識や態度を育成していくことが重要である。社会科の目標である「公民的資質の基礎を養う」とは,社会認識を形成した上で,よりよい社会の創造に貢献できる「市民的資質」を育成することである。よき市民として必要な市民的資質とは,最終的には行動化されなければ意味を持たないが,中学校段階においては,多面的・多角的な思考・判断力の育成と合理的意思決定の学習経験の蓄積が将来の市民的資質の育成につながると考える。特に熟考することを重視し,PISA型読解リテラシーとその上位概念であるキー・コンピテンシーの要素を授業に取り入れ,他者との共同の学びを重視して,知識を再構成し,市民的素質につながる思考力・判断力の育成を目指した授業を実践した。
- 2010-05-20