戦後上級官僚の行動様式と「政官関係」の変容
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概要
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要旨本稿は、戦後上級官僚の役割意識・行動とその変容を、彼らのキャリア・パス、およびそれが発達させる管理エリート意識と関連づけて探究した。戦後上級官僚を対象に実施した質問紙調査のデータを分析した結果、つぎの諸知見を得た。1)上級職試験に合格した新人官僚は、ほぼ一定のキャリア・パスの中で、エリート集団への新規参入者としての教育訓練を受け、職務を習得し、組織に対する能動的な貢献意欲と管理エリート的「組織的人格」を発達させていく。2)上級官僚の行動は、「行政人」「官僚人」「公共人」の因子の影響を受けている。戦後復興・高度成長期をリードした官僚から、低成長移行後の「利益調整型」官僚への「公共人」行動因子の減退が存在する。3)行政官僚は政策過程のすべてのステージで卓抜した影響力を行使し、政府首脳・閣議は「政策決定」ステージで行政官僚に比肩ないし優越する影響力を行使する。上級官僚は、政治家に権力が移行していく状況のなかで「政治的官僚」化を志向している。
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