ヤマトコトバと古代語
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概要
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記紀万葉等の最古の文献に遺る、漢語およびごく一部の半島出自と見られる語以外の言葉は、総じて一般にヤマトコトバ(和語)と呼ばれている。それらに、平安初期のかな資料等も含めて、判る限りの「古来の和語」について、とくに注目されるのは、同音異義語と同義異音語の多さである。ヤマトコトバとは、大和政権の人々の言葉でもあったが、そうした一言語圏内で、たとえば山をヤマ・タケ・ネ、土をツチ・ヒヂ・ニと言い分ける、あるいは混用する必然性は、どこにあったのだろうか。本稿は、漢字伝来以前の遠い昔、言葉とは声ばかりであったこの列島上で、いくつかの言語圏の出会いと交わりがあって、大和政権の人々の言葉を軸に混成・融合したものが、いわゆるヤマトコトバであるということを、「混成した男女呼称の問題、多様な大数の整序の問題、〈葛〉という字の多訓の問題」の三点に絞り、考察、実証したものである。それによって、文献の背後に広がっていた列島の古代語の多様な世界への視野を、開いてゆきたい。
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