脳核医学の現況
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概要
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核医学検査は放射性核種で標識された薬剤を生体に投与し, その体内分布を外部から測定することにより, 血流や代謝等の生理・生化学的情報を得るものである. CTやMRIが主に形態的な情報を与えるのに対して, 核医学検査は機能的な情報を与えることが大きな特徴である. 脳は解剖学的に複雑な構造をしており, 診断には通常, 断層画像が用いられる. 核医学の断像画像は用いる核種により, SPECT(single photon emission computed tomography)とPET(positron emission tomography)に大別される. SPECTはTc-99mやI-123等の核種を用いるものであり, 一般に広く普及しているが, 市販されている薬剤のほとんどが脳血流用製剤であり, 検査の対象が限られている. PETはF-18, C-11, 0-15などの陽電子放出性核種を用いるものであるが, 比較的物理的半減期の長いF-18でも110分, 最も短い0-15では2分ときわめて短く, 臨床に用いるためにはこれらを産生するサイクロトロンを病院内に設置する必要がある. C-11やO-15は生体の構成成分であり, 理論的にほとんどの物質を標識できることから応用の範囲が広いが, 放射性医薬品を合成する自動合成装置と生体内放射能を測定するPET装置(ポジトロンカメラ)が必要である. このため, 設備が大がかりとなり普及が遅れていたが, 平成8年に0-15ガス, 平成14年4月にはF-18FDG(fluorodeoxyglucose)が保険適用となり, 最近, 急速に施設が増えつつあり, 現在, 国内で約50の施設が稼働中である.
- 2003-02-25
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