「高祖大師秘密縁起」考--安楽寿院本の構成と内容
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概要
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「高祖大師秘密縁起」は、弘法大師空海の伝記を主題とする絵巻の一系統である。その成立は十三世紀後半と推定されているが、現存作品は少なく、管見の限りでは五件が紹介されているにすぎない。その中で完本として最も古いものは、応永二年(一四六八)の年記を持つ安楽寿院本であり、これについては、既に詞書全文の翻刻、および全巻の白黒写真が公刊されている。しかし、その具体的な内容に関しては、論及はおろか、解説さえ充分にはなされていないのが現状である。そこで本稿では、「高祖大師秘密縁起」についての考察の一環として、まず完本の安楽寿院本を取り上げ、その構成と内容を一覧する。その際、本絵巻の特質を明らかにするために、他系統の大師伝絵巻との比較を行い、また、これらの絵巻の典拠になったと推定される漢文の弘法大師伝諸本との関連を検討する。ただし、ここでは紙数の都合により、その結果を総合的に考察する余裕がないので、この点は、「高祖大師秘密縁起」の他の現存作品の検討とともに別稿に譲ることとする。
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