『写本太平記参考太平記見合抜書』解説、付『軍記抜書九種』覚書
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概要
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内閣文庫所蔵の『軍記抜書九種』は『保元物語』『平治物語』『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』『明徳記』『応仁記』の抜書であるが、これらは江戸時代の故実家伊勢貞丈が『五武器談』『武器考証』を執筆するための準備段階の抜書として作成したものらしい。このうち『鍔躰駄軒調見合抜書』の写本は、その校異から判断すると玄玖本系統の今日知られていない一本であることが判る。また『武器考証』所収の『異本太平記抜書』の異本は金勝院本系統(丁類本)の、これも今日知られていない一本である可能性が高い。このように『軍記抜書九種』は江戸期故実家の仕事ぶりを窺うだけでなく、軍記の諸本研究の上からも注目すべき資料である。
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