コミュニケーション : 植物の場合
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概要
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種々の植物を用いて,発芽過程において植物相互間で繰り広げられる化学的コミュニケーションについて研究を行った。エンドウの発芽種子から放出される分泌物が他の植物の成長を阻害することが分かった。クレス種子の成長を阻害する活性をもつアレロパシー物質をエンドウの発芽種子分泌物から単離し,^<1>H NMRスペクトルからピサチンであることを明らかにした。エンドウ発芽種子の分泌物に含まれるピサチン量がクレスの成長を阻害するのに必要なピサチン濃度と良く一致していたことから,ピサチンがエンドウの発芽過程で示される攻撃的なアレロパシーに重要な役割を演じていることが示唆された。一方,ゴボウ種子を他の植物と混植した場合,相手の植物,特にケイトウの胚軸の成長を促進することが分かった。ケイトウの胚軸の成長を顕著に促進する,友好的アレロパシー物質を二種類,ゴボウの発芽種子分泌物から単離した。それらは^<1>Hおよび^<13>C NMRやEIMSのスペクトルから,アークチゲニン酸とアークチゲニンであることが判明した。ゴボウの発芽種子分泌物におけるこれらの物質の含量が分泌物の生物活性と良い相関を示したことから,アークチゲニン酸とアークチゲニンはゴボウの種子発芽過程において繰り広げられる友好的アレロパシーに重要な役割を演じていることが示唆された。
- 2008-09-25
論文 | ランダム
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