小学校低学年における人物表現についての事例的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
7歳から9歳の子どもたちの人物表現が、どんな素因によって、様式的再現から意図的表現へと高まっていくのか、いくつかの事例によって研究した。その結果、視覚的リアリズム期を迎える以前の子どもたちの人物表現には、反復された筋肉運動、心地よさ等の運動時の感覚的印象、接触等の皮膚感覚の強さなどが、深くかかわっていることがうかがえた。また、装着している衣服・靴などの形態イメージが、それをまとった人物の形態表現を制約していることもうかがえた。一方、意図的表現を細かく見ていくと、そこにはその子なりのさまざまな自己意識や実感がこめられているということを、あらためて知ることができた。
- 1993-03-31