農畜林業バイオマスを基礎とした食料・エネルギー自給ポテンシャル解析 : 北海道富良野市を事例として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究論文本論文では、北海道富良野市を事例として、地域内の耕畜林産業と地域住民を主体とした食料・エネルギー自給モデルを作成し、食料自給やエネルギー自給についての可能性を解析した。まず、富良野市における耕畜林業の主要生産物と住民(家庭)における物質の産出投入量を整理した。主要生産物は、水稲、小麦、牧車、デントコーン、タマネギ、スイートコーン、ニンジン、乳牛、ヤナギ、森林とした。次に、食料、エネルギー、飼料、肥料に関する供給・消費原単位をまとめ、バイオマスエネルギーによる地域内エネルギ一自給率を最大化するような、主要作物や家畜頭数・飼料畑などの耕地面積や頭数の配分問題を線形計画法により計算した。また、同時に肥料自給や飼料自給および農業所得も考慮することにより、複合的な地域自給の評価を加えた。この解析から、富良野市のバイオマスによるエネルギー自給率は、現状の0%から20-48弘程度まで向上する可能性をもつことが示された。しかし、肥料自給率の数値設定により食料自給率およびエネルギー自給率の数値は大きく変化することも同時に示された。In this paper,the food and energy self-sufficiency potential of Furano city,a region in central Hokkaido,Japan,was analyzed as a case study. First of all,Input-Output data was compiled for the main compartments of agriculture,dairy products,forestry,and citizenry in Furano city. Compartments were paddy rice,wheat,pasture,dent corn, onion,sweet corn,carrot,dairy cows, willow,forest,and citizenry. Secondly,supply and consumption per unit of land,per head of cattle,per capita related to food, energy,feed,nitrogen fertilizer were listed. Finally,by utilizing the specific figures,we analyzed the optimum land use model for energy self-sufficiency in Furano city using a linear programming analysis. As a result,we derived the utilization of agricultural,livestock,and foresry biomass as energy results in an energy self-sufficiency potential of 20-48% influenced by nitrogen self-sufficiency.
著者
関連論文
- ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)で木材多糖を架橋した化学改質紙紙筒によるテンサイの育苗栽培が苗と移植後の生育および収量に及ぼす影響
- 11 無菌条件下におけるイノシン施与が根の生長に与える影響(北海道支部講演会,2008年度各支部会)
- 6. 今後の研究の展開(根圏環境 : 機能解明から制御へ)(2003年神奈川大会シンポジウムの概要)
- 根圏環境 : 機能解明から制御へ(2003年神奈川大会シンポジウムの概要)
- 根圏環境 : 機能解明から制御へ
- 農畜林業バイオマスを基礎とした食料・エネルギー自給ポテンシャル解析 : 北海道富良野市を事例として
- DMDHEUで木材多糖を架橋した育苗容器用紙の開発とその育苗評価
- 熱帯泥炭・森林の修復と保全による地球温暖化防止
- 9-38 cDNAライブラリーを用いた白花ルーピンのクラスター根で発現する遺伝子の解析(9.植物の無機栄養,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- 4. 根圏制御による植物一次生産システムの改変の可能性(根圏環境 : 機能解明から制御へ)(2003年神奈川大会シンポジウムの概要)
- IV-4 根圏制御による植物一次生産システムの改変の可能性(IV 根圏環境 : 機能解明から制御へ)
- 9 土壌リン形態変化の^P NMRによる解析(北海道支部講演会,2007年度各支部会)
- S1-3 メタゲノム的アプローチを用いた植物根圏土壌微生物叢の比較解析(シンポジウムI:微生物生態学における環境ゲノミクス,第23回大会シンポジウム)
- 「サトヤマ工学」をめざして (特集 都市・農村の地域連携を基礎とした低炭素社会のエコデザイン)
- 未利用材を利用した日本における木質ペレット製造のエネルギー収支分析
- 第6部門 : 植物の代謝および代謝成分
- バレイショの各器官の生長におよぼす窒素施与の影響
- 登熟中における炭素・窒素化合物の挙動のトウモロコシとバレイショ間比較
- バレイショの生育各時期に各葉から同化した^Cの各器官への転流
- バレイショの各器官の生長経過からみた個体生長の解析
- 水稲の登熟過程における葉タンパク質の子実タンパク質への再編成
- バレイショの茎葉から塊茎への物質転流に伴う炭素・窒素化合物の再編成
- 登熟期の水稲の止葉から吸収したグルタミンおよびスクロースの炭素の挙動
- ダイズの登熟過程における炭素・窒素化合物の挙動
- III-1 植物における光合成産物や窒素の転流・分配と生産能(III.葉の形態形成・機能からみた植物の生産能)
- III-4 酸性環境に対する植物の反応(III.酸性雨の生態系影響の評価)
- ^CO_2トレーサによる植物個体での構造と機能の関係の解析
- 機能タイプを基礎にした樹木の温暖化環境への反応 : (陸上生態系と地球環境・地球変化と生態系の生理学)
- クリーンな紙パルプ製品を得るための菌及びその酵素の利用
- 植物の栄養生態 (第4部門 植物栄養)
- 8-14 アーバスキュラー菌根菌の保持する新規マイコウイルス : ゲノム構造と系統進化学的位置(8.共生,2010年度北海道大会)
- 22 ヒ素ストレスに対する植物の代謝応答解析(北海道支部講演会,2009年度各支部会)
- "均一・大規模"から"モザイク・循環"へ (地球温暖化による我が国農業の行方(2))
- 第15回国際土壌科学会議(World Congress of Soil Science)印象記
- III-1 主要作物における窒素、リン、カリ栄養と生産性(III.主栄養素の生理と生産性 : 最近の進歩)
- 根の機能と作物の生産(2)
- 根の機能と作物の生産(1)
- 「サトヤマ工学」をめざして
- 熱帯の泥炭地域の水・炭素が地球生態系に与える影響
- 未利用材を利用した日本における木質ペレット製造のエネルギー収支分析
- 低炭素社会に向けた地域連携による食料・エネルギー自給構造分析 : 北海道の第一次産業バイオマスによるポテンシャル評価
- The Spectral Data Collection of Specific Trees in Peat-Forest in Central Kalimantan, Indonesia
- 中部カリマンタン地域における森林タイプの分類と特徴(会員研究発表論文)