名詞のイメージ価と感情価の標準化
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概要
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宮崎・本山・菱谷 (2003)において感情価の標準化が行われた,名詞263語のイメージ価を調査した。本調査の信頼性を検討するため,同様の調査を行った先行研究との相関検定を行った。その結果,本調査で得られたイメージ価と佐久間・伊集院・伏見・辰巳・田中・天野・近藤 (2005)のイメージ価の間には,かなり高い相関関係が見られた。また,本調査とBrown & Ure (1969)の名詞の具象価,およびPaivio, Yuille, & Madigan (1968)のイメージ価との間には,統計的に有意ではあるが,中程度の相関関係しか見られなかった。補足的分析は,中程度の相関係数しか得られなかったのは,切断の効果によるものであることを示唆した。換言すれば,切断の効果が生じなければ,本調査と両先行研究間には,本来強い相関関係があると考えられる。これらの結果から,本調査の信頼性は高いと判断された。したがって,本調査と宮崎他(2003)の調査から,イメージ価と感情価について標準化された名詞群が得られたこととなる。これらのデータを用いれば,イメージの形成によって喚起される視覚情報量や感情の方向・強度を,イメージ価や感情価という客観的な指標を基に統制することが可能となるという意味で,実用性の高いデータが収集できたといえよう。The purpose of this study was to measure imagery values for 263 Japanese nouns, the emotional values of which had been measured by Miyazaki, Motoyama, and Hishitani (2003). Correlation analyses showed that the average ratings in the present study were highly correlated with those in Sakuma, Ijyuin, Fushimi, Tatsumi, Tanaka, Amano, and Kondou (2005), but only moderately correlated with those in Brown and Ure (1969) and Paivio, Yuille, and Madigan (1968). Additional analyses performed by us suggested that “truncation effects” might be the cause of the moderate correlations, and therefore strong correlations between our study and the previous studies could be obtained if truncation effects are removed. These results indicated that we obtain the reliable imagery values. Consequently, both imagery and emotional values for 263 Japanese nouns have been prepared. Its usefulness and importance for imagery researches were discussed.
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