Effect of hot spring water drinking on glucose metabolism
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概要
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[目的] 硫黄泉やナトリウム炭酸水素塩泉の飲泉適応症に糖尿病が上げられているが詳細な検討はされていない。今回、温泉水飲泉の糖代謝に与える影響を知る目的で、硫黄泉と単純泉において検討した。[対象・温泉水] 検討した温泉水は川湯温泉水(酸性・含硫黄・鉄(II)- ナトリウム・アルミニウム - 硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)、pH1.98)とあすかの湯(アルカリ性単純泉、pH8.9)である。前者は2型糖尿病患者8名と健常人3名、後者は2型糖尿病患者6名について検討した。[方法] 一回の飲泉効果を知る目的で、一週間の間隔をあけて5倍に希釈した川湯温泉水200ml、あるいは水道水を飲用後に経口糖負荷試験(OGTT)を行った。次に長期飲泉効果を見る目的で糖尿病患者を対象に毎日二回、川湯温泉水は4週間、あすかの湯は一週間飲泉を継続して血糖値のコントロール状態を検討した。[結果] 川湯温泉水飲用後のOGTTでは水道水飲用後に比して血糖値の上昇が有意に抑えられた(p<0.05)。また、飲泉の長期効果として川湯温泉水ではHbA1c値の低下(p<0.05)、あすかの湯では1.5-アンヒドロ-D-グルシトール(1 .5AG)値の改善が認められた(NS)。[考察] これらの温泉水の飲泉により糖尿病患者の血糖値改善効果が期待され、特に禁忌症のない患者では試みてよい治療法と考えられる。
- 日本温泉気候物理医学会の論文
- 2003-08-01
日本温泉気候物理医学会 | 論文
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