価値形態論と物神性論 : 廣松渉、柄谷行人による解釈の批判的再構築
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概要
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本稿は、「価値」なるものが、形而上学的あるいは物神崇拝的に存立する商品物神、貨幣物神の機構を解明することを主な課題とする。資本主義的な富は、資本循環における諸形態として貸借対照表に表される。そこに資産価値なるものが現れる。このような抽象段階になってはじめて、商品からも貨幣からも分離された価値なる対象性が社会的抽象の産物として実体化されるに至る。資産価値の現象形態である商品の価値形態、貨幣形態、資本形式は、廣松渉がいうように「抽象的人間労働-商品価値」という“物象化的に倒錯” された共同主観的な関係構造として存立している。しかし、交換関係は非対称的なものであり商品は貨幣への「命がけの飛躍」につきまとわれている。貨幣物神を括弧に入れられると考えるところに、古典派・新古典派理論、ひいてはロック的な「自己労働の自己所有」というアングロサクソン的な私的所有観のイデオロギー的倒像が成立するのである。
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