【書評】深谷克己著『江戸時代の身分願望-身上りと上下なし』(吉川弘文館、2006年)
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概要
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本稿は、近年の日本近世における身分制研究の新動向に刺激を受け、この動向の出発点となる深谷克己氏の著書『江戸時代の身分願望-身上りと上下なし』を読み返そうとするものである。本書は、近年停滞気味であった身分制研究に新たな身分論を提起した。従来の身分を社会集団として捉える論説に対し、身分を個人に属するものと視点を変え、より流動的に身分制を捉えようと試みる。また、その身分制を基軸として、近世社会は身分の上昇願望と平等願望が入り交じり、これらの願望が幕藩体制を崩壊させ近代へと導く要因であったとする。著者の提起する身分論は、真に近世社会を流動的に捉え、多様な身分を把握するものなのか、本稿を通してその課題を検討する。
- 2010-09-30
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