【研究ノート】『興業意見』の陳列所・博物館論
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概要
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1881年の農商務省設置以降、前田正名が中心になって編纂し、1884年に同省が刊行した『興業意見』には、陳列所や博物館に関する記述が見られる。殖産興業の政策構想は、陳列所や博物館に内在する教育機能に期待したのである。そして、そこには固有の陳列所・博物館論が敷かれてもいた。陳列所と博物館は不連続をはさんで論じられ、陳列所の前景化と博物館の後景化として概括することができた。さらに、費用がかかることや資料収集が容易でないことを理由に博物館は退けられたが、むしろ博物館は、美術館とともに興業の結果に位置づき、興業それ自体のためには陳列所が求められるという構造の理解にいたった。これは、陳列所が現実として受容されてゆく一方で、「直訳的技術導入への反省」として博物館のあったことをも意味する。『興業意見』の陳列所・博物館論の検討の結果、反省されるべき明治前期の博物館、その現象の分析へと進むことが指し示された。
- 2010-09-30
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