「江田船山古墳」の被葬者と「鞠智城」築城の背景をさぐる
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概要
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本論では、古代朝鮮式山城「鞠智城」の築造目的が、奈辺にあったのかを考察してみることにしたい。結論からいえば、日韓両国の考古学者や古代史研究者たちの見解とは大きく異なっている。しかしこれまでいろいろ研究してきた私なりの到達点である。 「鞠智城」に関しては、文献的には『日本書紀』・『続曰本紀』や『三代実録』の記述しかない。従来の研究のほとんどが、特に『続曰本紀』の文武二(698)年の「大宰府をして大野・基肄(肆)・鞠智の三城を繕治せしむ」の記事に依拠し、大野城・基肄(肆)城・「鞠智城」の並列記載から、この三つの古代城を、常に大宰府と関係づけ、それを大前提にした考察・研究がなされてきた。考古学者や古代史研究者たちは、この記事の呪縛から、一向に解放されなかったばかりか、その通説からの脱皮を進んで試みようとしてこなかった。私は、考古学者でも古代史研究者でもなく、専門外の一研究者である。そのため幸いなことに、考古学・古代史学会の権威主義に束縛されることがない。私に与えられた特権である。この特権を活用して、従来とはまったく違った視点で以って、より「鞠智城」の築造目的の真実に接近することができるのではないかと思っている。古代史に関しては、老若を問わず、国内外の有名・無名の研究者たちによる数多くの著作が出版されている。多種多様なアプローチの仕方があることを教えられる。またその内容は面白いばかりでなく、何よりも古代史専門家にない柔軟さが刺激的である。拙論では、それらの著作も参考にして、論考を進めてみたい。
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