コミュニケーションを通しての言語学習 : 発話増加の要因
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概要
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この研究の目的は,言語学習の過程で学習者がアウトプットをすることの重要性についてまとめることである。本論文で使われたデータは筆者の友人とのコミュニケーションを通じて行われたフィリピン語,韓国語学習の経験に基づく。分析結果は,学習者が理解可能なインプットを受けることと同様にアウトプットをする面が学習において大切であるということを明らかにした。更に,アウトプットを増やす要因が内的なものと外的なものに分けられることもわかった。内的要因は学習者に内面からはたらきかける(母語知識に限らない)一方,外的要因は学習者を取り巻く環境など外から働きかけるものである。学習者の知識は言語の構造の特徴などを発見するときに影響を与え,また友人関係などの外的要因は学習動機を与える。それぞれの要因は互いに強く作用し合っているため,どれが学習者にとって一番重要なものであるかを簡単に結論づけることはできない。しかし,学習をコミュニケーションの一部と位置づけたとき,どのような関係を学習者とその母語話者の間に築くかが重要な問題となる。なぜなら,コミュニケーションをとりたい,アウトプットをしたい,という基本的な欲求は人間関係の上にあるからだ。学習者とその母語話者が友人として同じ位置に立つとき,コミュニケーションを通じての言語学習は更に促進される。
- 2010-03-01
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