カンボジア国児童の体格・体力について居住地域による違い
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概要
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多くの開発途上国では、予防医学の考え方が十分に広まっていない。それに伴い体育・スポーツ活動が十分に普及しておらず、体育科教育での基礎資料となる対象児童・生徒の体格や体力に関連する資料はおろか、測定をおこなう十分なシステムが整っていないのが実情である。本報は、カンボジア国での体育科教育の基礎資料の充実を目的に、当該国児童の居住地域の違いによる体格と体力との関係を検討することを目的とした。調査対象は、カンボジア国内Phnom Penh市、Battambang州、Kompong Cham州、Sihanouk Ville州、Kompong Chhnang州、Svay Rieng州、Kratie州、Rattanak Kiri州の小学校へ通学する7歳から11歳の学童(女子:2,090名、男子:2,085名)であった。体格測定として身長、体重、体力測定として、50m走(全身パワー・走力)、立ち幅とび(瞬発力)を測定した。測定の結果は、年齢による発育様相の影響を除外するために全てT‐スコア‐に変換して検討した。結果は以下であった。男女共、当該国南東部Svay Rieng州で生活する児童の身長・体重の値が、他地域で生活する児童よりも有意に高かった。しかし、体力測定では、Svay Rieng州で生活する児童の測定結果が、必ずしも他地域で生活する児童の結果よりも高くはなかった。即ち、体格(身長・体重)の大きなことが、全身パワー・走力、瞬発力発揮に必ずしも有効に活用されていないことが示唆された。
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