2000年代における中国の鉄鋼生産の急増とその背景 : 中国鉄鋼業の生産構造と設備投資の分析を中心に
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概要
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中国の鉄鋼生産は,2000年以降飛躍的に伸び,2008年の粗鋼生産は5億トンと,一国の生産量としては世界史上類を見ない水準に達した。その中国の鉄鋼業の成長は,日米欧の鉄鋼業を超える新段階・新類型を画するものなのかどうか。その実態を分析し,その歴史的意義と課題を明らかにする。分析を通じて,中国の鉄鋼生産の急増と設備投資は,一方で国有大手鉄鋼企業の既存設備が,「より一層の改革・開放」政策への転換を経て,2000年以降WTO加盟後の世界市場向け生産の急拡大と中国国内の耐久消費財需要の拡大に対応できず,現代的な生産設備への刷新=旧来設備の廃棄と現代技術に基づく新設投資としての展開と,他方での,建設需要の増加を背景とする低技術,低効率,環境負荷の大きな中小鉄鋼業の過剰設備投資という二層・二重の設備投資の複合体として実現されたものであり,内陸部の資源立地型の伝統的な中小鉄鋼業と,沿海部の海外資源依存型新鋭臨海鉄鋼業という二層・二重の構造を持つことを指摘した。
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