オーストラリア州問財政調整と先住民への全体責任 - 財源保障型の相対係数による協調的連邦主義 -
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概要
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各州の名称は,ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW:NewSouthWales), ビクトリア州(Vic:Victoria), クインズランド州(Qld:Queensland), 西オーストラリア州(WA:westernAustralia),南オーストラリア州(SA:SouthAustralia), タスマニア州(Tas:Tasmania), 首都特別地域(ACT:Australian Capital Territory), 北部特別地域(NT:Northern Territory)である。2000年度以降のオーストラリア州間財政調整では,各州の「間接限界責任」として, 財・サービス税(GST)の全額が,不足額の相対係数によって各州に配分される。この連邦交付金委員会が勧告した5年平均の「相対係数」は1981年以降,複雑な算定方法を用いて, 標準支出に対する標準税収の不足額を財源保障するように算定されてきた。人口1人当たり標準支出と標準税収は,人口密度に関してそれぞれ「鍋底U字型」と「右上がりの直線」という基本構造を内在していた。この基本構造において, 連邦政府は水平的な財政的公平(平衡化)を達成でき,「全体責任」を確保している。各州の間接限界責任と連邦の全体責任という協調的連邦主義によって,先住民を多く抱える北部特別地域(NT)は,財政力が弱体であっても,1988年に州間財政調整に参加できたのである。 (英文) As "indirect marginal accountability" of states, all goods and services tax (GST) revenue was distributed using GST revenue sharing relativities of fiscal capacity recommended by the Commonwealth Grants Commission since 2000. The five-year average relativities were complicatedly calculated by standardized deficits between expenses and revenues of each states since 1981. The per capita standardized expenses and revenues were respectively assessed as the U-shaped and increasing patterns to population densities. Then the national government achieved horizontal fiscal equalization for poor states as "full accountability." On this Australian co-operative federalism between the Commonwealth and states, the poor Northern Territory with indigenous people was able to participate interstate fiscal equalization in 1988.
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