幼児の音楽教育における今日的問題 教員養成の立場から
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概要
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幼児教育における音楽の重要性は幼児の発見や早期教育・早教育の主張とあいまって、最近特に問題となっている。しかし、幼稚園教員養成課程におけるカリキュラムや内容はその重要性に対し必ずしも相応しているとは言えない。ところで、幼児に対する音楽教育は幼児の聴覚や心身の発達からみて非常に重要である。しかもその内容は、小・中学校のように分化された学習形態ではなく、幼児の生活や遊びを通していろんな経験や活動を総合的に行うことによって達成される。そのため、一部の小学校や中学校のように専科の教員を配置できないだけでなく、一方では全ての教員に高い音楽的実力や幼児の心身の発達を踏まえた指導技術と優れた人間性が要求されるのである。しかし現実的には、幼児の心身の発達や音楽的能力および音楽の諸活動に対する理解の仕方と実践は決して十分とは言えない。その原因として、大学の入試における音楽試験の欠落および次元の低さ、小学校から高校までに音楽の基礎能力が十分に養成されていないこと、そして最も重要なことは、幼児はチーチーパッパッぐらいだからその指導者は音楽的にレベルが低くてもよいのだという一般的風潮などが考えられる。このような現実的な問題がある反面、鈴木慎一による思想と実践や最近の乳幼児の能力の発見、更に市井の音楽教室・おけいこごと等は幼児教育における音楽教育の隆盛と能力の開発に多大の貢献をしている。その結果、これらの影響は一般の保育所や幼稚園にもおよび、良くも悪くも幼児教育の現場を混乱に落しいれている。以上のような現実の中で、幼児の音楽教育の何が今日的問題なのかについて、幼児教育の現場に対する意見を踏まえながら考察していきたい。
- 岡山大学教育学部の論文
岡山大学教育学部 | 論文
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