中学校家庭科被服学習における子どもの被服関心・自尊感情形成評価への心理測定尺度適用の試み(1)―教科としての目標達成を目指す家庭科評価研究(第3報)―
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概要
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本継続研究の目的は,「被服学習」が教科の目標である「家庭生活を営む力」の育成を通して,どのように子どもの「人格形成」に結びつくのかを心理測定尺度適用により試みることを目的とするものである。第1報で検討したように,平成20年3月末に告示された平成20年版学習指導要領に示された中学校「技術・家庭(家庭分野)」の被服学習には,その目的を達成するために解決すべき課題が2点存在した。第一は,目的に相当する「学習者と被服との関わり」を学ぶ内容が欠落していること,第二は,被服学習が学校教育の目的である学習者の「人格形成」にどのように関わるのかを,客観的に評価する方法がないということである。本報では,第一の課題解決を目的として,岡山大学教育学部附属中学校で取り組まれている授業開発研究「外観・被服・私」を踏襲し,第2報で検討した結果から,心理測定尺度を適用することで第二の課題を検討することを目的とした。被服学習で子どもの「人格形成」を測るためには,① 「学習者自身」と② 「学習者と被服との関係性」の心理傾向を測定する必要があるが,既存の「心理測定尺度」を検討し,① は第2報と同じ「自尊感情尺度」,② は「被服関心度質問表」を選択し,調査用紙を作成した。2008年3月に岡山大学附属中学校第1・2学年400名(第1学年男子100名・女子100名,第2学年男子100名・女子100名)を対象にプレテストを行い,回答を得られた242名(第1学年男子42名・女子62名,第2学年男子56名・女子82名)の結果を統計ソフトSPSSにより信頼性について分析した。その結果,クロンバックのα係数が概ね0.7以上となり,作成した調査用紙は中学生に適用可能なことが確認できた。
- 2009-02-25
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