重刊改修捷解新語の諸本とその板木
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概要
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朝鮮王朝時代、司訳院倭学において日本語学習用のテキストとして編まれた『捷解新語』は、日本語史、朝鮮語史双方において価値の高い言語資料として知られており、同時に日朝の文化交流史においても注目すべき資料である。『捷解新語』は、そのいわゆる原刊本が粛宗2年(康煕丙辰1676年)に刊行され、その後、第1次の改修本(木版本)が英祖24年(乾隆戊辰1748年)に印行された。その後、さらに第2次の改修が行われ活字印行されたものの、印本が散逸したため、正祖5年(乾隆辛丑1781年)に重刊された。現在、印本が残っているのは、第2次改修本を除く、原刊本諸本(覆丙辰を含む)、第1次改修本、第2次改修本の重刊本(重刊改修本、以下重刊本とする)である(安田1990他)。このうち、重刊本については、その刊行(1781年)以後、司訳院の閉鎖(1894年)まで、100年余に亙って用いられたため、何度か印刷されたものと思われ、次節に挙げるいくつかの諸本が伝わっている。いっぽう、重刊本には、その板木(冊板)が部分的ではあるが、残存している。筆者は、以前より重刊本の諸本を調査し、2006年には韓国の高麗大学校において同博物館所蔵の板木を詳しく調査する機会をえた。これまで重刊本と原刊本・改修本との関係は数多く研究されてきたが、重刊本諸本の残存状況や印刷の前後関係、板木との関係については、殆ど問題にされていない。本稿では、この問題を取り上げ、残存している諸本と板木について残存状況を概観したのち、板木諸本の前後関係を考えていきたい。
- 2007-03-31
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