千拓地土壤に関する研究 第1報 塩成干拓地土壤の生成過程に関する一考察
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概要
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本邦の海岸線に沿つて分布する干拓地土壌は海水に由来するアルカリ塩類及びマグネシウム塩類の影響の下に発達せる土壌であるとの見地から之を塩成土壌に類別することができる.かかる土壌の干拓後の年次の経過に件う動的変化を究明する目的で,先づ之が生成諭的研究を行い次の結果を得た. 1干拓初期の土壌は含塩量多く,且つ置換性Na及びMgの含有比率も極めて高く,含塩アルカリ土型の土壌である. 2干拓後の雨水及び灌概水の脱塩化作用によつて先づ表土の含塩量は稍々滅少するが置換性Na+Kの当量比率が12%以上を占める溶脱アルカリ土型の土壌に転化する. 3洗脱作用の高度の進行に件つて表土中よりアルカリ塩類は略々洗除され,置換性Na,K及びMgイオンの含有比率も略々正常土の夫に近似した組成を示すに至るが,他方置換性Hの含有比率は次第に増大して終には退化アルカリ土型の土壌を結果する. 4退化作用の過程を経た土壌が地盤沈下,堤防の破損其他の原因によつて再び海水の侵入を蒙る場含には茲に再生アルカリ土型の土壌を結果する。
- 岡山大学農学部の論文
- 1953-00-00
岡山大学農学部 | 論文
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