成熟ラット過排卵卵子の卵管内通過とその発育能に関する研究
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概要
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成熟ラットの過排卵卵の卵管下降遠度と卵管内発育を観察して,過排卵卵の正常性を検索した. あわせて,過排卵卵の胎児や産子への発育能を明らかにしようとした. 卵管下降遠度はHCG後24時間では,卵管膨大部で対照よりやや遅れており,46時間後には対照では膨大部狭部接合部を中心に存在するが,処置卵管では,狭部下方に集中して,下降遠度が促進されている. 68時問では,対照はいまだ狭部にあるが,処置区では既に半数近くが子宮に到達しており,86時聞では最早卵管には卵は存在しない. 正常妊娠雌へのエストロゲン単独処置で卵管下降促進が認められた. 卵分割速度は,卵管下降の促進にもかかわらず,対照のそれと変らなかった. 従って68時間で既に4-cell卵のまま子宮内への移行が認められた. 86時間では,対照は卵管子宮接続部に桑実胚として存在するのに比して,処置区では,全て子宮部に桑実胚および8-cell卵以下が約50%ずつ認められた. 後者は発育の遅れというよりむしろ,発育途中における斃死卵もしくは退行中の卵と恩われた. 結紮卵管より回収した過剰排卵処理による胚盤胞は,正常な宿主子宮では発育したが,処置宿主子宮では一例の発育をも認めなかった. 一方対照子宮より回収した胚盤胞は処置宿主子宮では全く発育せず,脱落膜腫も少例に認めたに過ぎない. このように成熟ラットにおける過排卵処理は卵管卵の発育遠度に対する影響は少ないが,卵の卵管下降遠度とくに狭部から子宮への移行を著しく促進する. 卵管感作時闇の減少することというよりむしろ,胚の発育に不都合な環境の子宮に卵が早めに進入することが,子宮内での着床前胚の発育の障害になっているようである.このことは,結紮卵管内で胚盤胞に発育した過排卵処置胚でも正常な子宮環境下では,新生児の発育へと全うできるという観察から裏づけられた。
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