急傾斜山地草地の牧草生産力に関する研究 (第3報)黒毛和種若令去勢牛のための3種イネ科単播草地の比較
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概要
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急傾斜山地を火入直播法によって草地造成し,黒毛和種若令去勢牛の肥育用に適する牧草の選択についての知見をうる目的で,傾斜20~35度の山地を1967年秋火入直播法で造成したオーチャードグラス(OG),トールフェスク(TF)およびレッドトップ(RT)の各草地に1968年と1969年の2か年間黒毛和種若令去勢牛を放牧し,1頭当り増体量と植生および裸地出現率などを比較検討した. 得られた結果の要約は次のとおりである. 1.放牧期間中の1日1頭当り増体量の2か年間の平均は,OG草地485g,TF草地531g,RT草地575gであった. 2.各草地の牧草の飼料成分や乾物消化率には大差がみられなかったが,放牧牛はOG草地よりRTやTF草地においてより選択的に採食した. 3.OG草地は面稜当り増体盤においてTF草地やRT草地よりいく分おとるものと考えられる. 4.草地の裸地出現率はRT草地がもっとも低く,したがってRTは急傾斜草地における重要な基本草種である。
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