加工用無支柱トマト果実の比重による熟度選別に関する研究-1-熟度に伴なう果実比重の変化について
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概要
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加工用無支柱トマト果実の機械的熟度選別の基礎資料を得る目的で,1969年から1971年の3か年間,卵形2品種,丸形8品種およびVF系統6品種を岡山大学農学部実験圃場で同一条件化で栽培し,果実特性および熟度の進展に伴なう果実比重の変化について調査した. その結果を要約すると,以下のとおりである. 1.無支柱品種の栽培は岡山県地方でも充分可能であることが明らかになったが,生育,収量,果実特性などを総合するとそのうちのぞみ1号および早生だるまがもっとも適正が高いように思われた. 2.どの品種についても,果実が着色を開始するとともに比重は急激に増大したが,以後熟度の進展に伴なう比重の変化は品種によって相違がみられ,大略3タイプに分け得た. (1)卵形品種では完熟に至るまで直線的に増加した. (2)丸形品種の大部分およびVF系統品種は一定熟度までは急増するが,以後はほとんど変化がみられなかった. (3)H1370およびくりこまは一度熟度で比重の最大値を示し,完熟に至るとかえって減少した. 3.果実熟度に伴なう比重の変化が品種ごとに一定の傾向を持つことから,この変化を基準にして果実熟度の機械的選別が可能になるものと考えられた. そして,具体的手段や選別の難易などの点について論議した. 4.追熟の場合の果実比重の変化は,樹上で成熟した場合とは異なった様相を示すことがうかがわれたが,この点について今後の検討に持ちたい。
- 岡山大学農学部の論文
岡山大学農学部 | 論文
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