庭公園のイメージに関する研究 (第1報)岡山市内の緑道公園のイメージについて
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概要
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庭公園のもつイメージを知ることは,庭公園の設計や管理を考える上で重要な要因となる. イメージは,視覚を主体とした感覚によって惹起され心理的な過程を経て形成される,複雑かつ統合性をもったものと考えられるので,その解析は容易でない. 本研究は,言語心理学の分野で確立されたSD法を用いて,庭公園のもつイメージの構造要因の分析を試みた. その第1報として,岡山市内にある新しい型式の公園である緑道公園をとりあげて,その検討結果を報告した。 評定尺度として、25の形容語対を用い,岡山市内にある3つの縁道公園において,春期と秋期の2回,それぞれ100人の被験者を対象として調査を行なった. その結果,用いた評定尺度に対する反応によって,直接的に各公園のおおよその評価を引き出すことができた. すなわち,岡山市内の3つの縁道公園は,植えられた木の美しさによって,季節感のある,快適な公園であるが,一方ではせまく,やかましい,側面の川のきたなさが気になるという,車道と川の間の狭小な土地を利用した弱点がうまくカバーできていない欠点があることがわかった. また因子分析によって,これらの公園のイメージ構成要因として,「植栽評価性」,「空間親和性」,「内部構造性」、「行動親和性」,「変化性」の5つの共通した要因と,「体感性」,「季節性」,「色彩性」の特殊な3要因があることがわかった. これらの緑道公園は,この5つの共通要因と特殊な3要因のいずれか1つの要因の6要因によって,そのイメージの約60%が構成されている. さらに,因子得点によって,被験者の要因に対する反応から,これらの緑道公園に対するイメージ構成は,全体的に性別によるちがいは少なく,年令によるちがいがあることが示唆された. すなわち,青年層は植栽よりは、変化性を求めつつ,公園内部に入って膚で感じながら遊歩するパターンを好み,逆に中高年層は植えられた植物に高い関心を示すが,変化や行動にはあまり興味はない,というおおよその傾向があることがわかった。
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