日本ウズラの高、低温度環境下での生存時間に関する遺伝変異について
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概要
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本研究は日本ウズラの耐温性に関する選抜育種並びに選抜育種の場の設定について検討しその具体的資料を得る目的で行なった. すなわち,日本ウズラを用いて,2,3,4,5,6週令ヒナの42,45,48℃および3,0,-3,-5℃条件下での生存時問の調査と体温を調査した. また,4,2週令ヒナをそれぞれ45,-5℃の温度条件下に曝らした時の生存時問に関する遺伝率の推定,並びに,体重との遺伝相関を推定し検討した. 得られた結果は以下の通りである. 1)ヒナはどの週令においても高温条件では温度が上昇するにつれて,また,低温条件では温度が低くなるにつれて生存時間は短くなる傾向を示した. 2)平均生存時間で週令間には,どの温度条件でもすべての問に1%レベルで有意差が認められ,どの温度条件でも4週令ヒナが最も生存時間が長かった. 3)致死体温は高温条件では46.6℃,低温条件では19.0℃であった. 4)生存時間と体重との関係は,高温度区では相関関係はほとんどなく,低温度区では非常に高い相関関係が有り,1%レベルで有意な回帰が認められた. 5)高温度条件45℃に4週令ヒナを曝らした生存時間についての遺伝率の推定値は,h2S=0.415,h2b=0.350,h2S+D=0.382であった. 6)低温度条件-5℃に2週令ヒナを曝らした生存時間についての遺伝率の推定値は,h2S=0.868,h2b=0.400,h2S+D=0.634であった. 7)遺伝率の推定値から,高,低温度条件とも,選抜方法は,家系内個体選抜が有効と考えられた。
- 岡山大学農学部の論文
- 1976-00-00
岡山大学農学部 | 論文
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