急傾斜山地草地の牧草生産力に関する研究 (第2報)放牧と舎飼いの黒毛和種若令去勢牛の行動比較
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概要
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1965年の5月,8月,10月に,ラジノクローバー・オーチャードグラス草地を一方は放牧で他方は刈取り舎飼いで利用した場合の黒毛和種若令去勢牛の行動を比較調査した. その結果を要約すると次のとおりである. 1.放牧牛は舎飼牛にくらべて食草時間が長く,反芻時間が短かかった. 2.放牧牛と舎飼牛の食草パターンの大きな差異が夜間にみとめられ,放牧牛の方が夜間に活撥に食草した. 3.放牧牛,舎飼牛とも8月の食草時間が他の月よりも長かった. これは放牧の場合は草地条件(草生悪下,収量低下)にもとずき,舎飼の場合は牛舎の規模,舎内の高温多湿にもとずくと考えられる. 4.放牧牛は舎飼牛にくらべて食草時間が長く,且つRT/ET値が低いから飼草のより可消化の部分を選択的に食草したと思われる. しかし両牛の増体量に差のないことから,放牧牛の摂取養分が放牧牛の諸活動のエネルギーに消費されたと考えられる。
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