<原著>虚血性心疾患における硝酸薬持続および間欠投与による前腕血流量の検討
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概要
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本研究の目的は,硝酸薬持続投与,間欠投与,非投与における前腕血流量を検討することである. 虚血性心疾患15例にて前腕血流量を, Hokanson社製ストレンゲージプレスチモグラフEC6を用いて測定した. 安静時前腕血流量測定後,上腕動脈収縮期血圧+50mmHgにて5分加圧,反応性充血後の血流量を測定した. 硝酸薬投与は,ニトログリセリン(NTG)25mg貼付薬を用い,同一例にてNTG非投与時, NTG 12時間貼付時(間欠投与時)およびNTG24時間貼付時(持続投与時) それぞれにおいて前腕血流量測定を施行した. 安静時前腕血流量は,非投与時7.2±0.9ml/min/100ml tissue,間欠投与時9.8±1.7ml/min/100ml tissueに比べて持続投与時5.0±0.5ml/min/100 ml tissueと持続投与時で有意に低値を示した(それぞれ, p<0.05, p<0.01).反応性充血後前腕血流量最大値は,非投与時24.4±2.6ml/min/100 ml tissue,間欠投与時38.1±8.9ml/min/100 ml tissueに比べて,持続投与時21.0土2.3 ml/ min/ 100 ml tissueと持続投与時で低下傾向であった.NTG持続投与による安静時前腕血流量低下は,硝酸耐性発現による可能性が示唆された.
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