大規模小売企業の成長と内外部接合要因の検討 : 百貨店の成長における店舗力・商品力・接客サービス力の実証研究
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概要
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論文本小論は,経営学における企業成長性分析の視点から,大規模小売業を取り上げ,90年代後半以降の日本における百貨店に事例を限定し,百貨店の中長期的な成長要因に店舗力・商品力・接客サービス力からなる内外部接合要因という新しい視点を加えることの意義を検討することを目的とした。そして,先行研究の精査に基づいた仮説の検証を線形判別関数分析の実証研究によって行った。その結果,百貨店の中長期的成長に内外部接合要因が概ね貢献すること,また3要因の貢献度では店舗力が約4~5割,接客サービス力が約3割,商品力が2割強であることが確認された。百貨店の中長期的な成長性分析に企業の環境対応に焦点を当てた内外部接合要因という新しい視点を加える意義は大きく,中長期的な成長戦略として百貨店は内外部接合要因を強化することが必要である,と筆者は考えている。