アスペルガー症候群の子どもの学童期におけるフラッシュバックと自己存在に関する不安 ~発達にともなう行動の変容と関係性に焦点を当てた支援のあり方~
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概要
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学童期におけるアスペルガー症候群の子どもたちにしばしば見られる現象としてフラッシュバックが挙げられる。そのフラッシュバックには自己存在に関する不安が伴うケースが多くある。筆者は他者との関わりや学校という現実のなかで自分自身の存在を定位する課題に直面するあるひとりの子どもと関わりをもってきた。その子どもの幼児期から小学校高学年までの他者との関わりの様子や保育園や学校における対応を振り返り、さらに現在の筆者との関わりの様子を記述することを通して、その時々に生じてきた発達にともなう行動の変容と支援の経過を整理した。そして現在の症状として生じているフラッシュバックと自己存在に関する不安に対応する支援のあり方について考えた。アスペルガー症候群の抱える他者理解の上での分からなさを支援する重要な他者の必要性、重要な他者の存在を通して自己を確認していくプロセスの必要性が示された。また、フラッシュバックの現象やそれにともなう不安の背景には自己存在基盤の脆弱さが見られ、「この日がすぐに来る」、「今と思っているとすぐに明日になる」、「今日もすぐに明日に変わってしまう」等、移り変わっていく今という時間への意識や自己存在の基盤としての自己の歴史性の形成についてもより詳細な検討が必要であることが示唆された。
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