「知」の収奪―世界初の英文日本ガイドブック(2) ―長崎―
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概要
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今回は,先回紹介したガイドブックが最初に扱っている条約港,長崎の章を見ることにする。訳文をまず掲載し,傍注により必要な補足説明をほどこす。全体70頁のうち24頁が長崎の説明に費やされ,他に横浜,江戸,箱館,兵庫(大坂)の篇がある中で,量的にも長崎の比重の大きさが分かる。そこには,長崎が,いわゆる鎖国時代の日本の,欧米への唯一の窓口であったという懐かしさ,またおびただしいキリスト教殉教者への畏敬と同情が感じられる。しかし,それらにもまさって,この英文ガイドには,長崎の自然へのこまやかで深い愛着が感じられる。明治も先になって刊行されたアーネスト・サトウ,バジルH.チェンバレンらの日本ガイドと異なり,この案内書は何よりも長崎礼賛の書であると言えよう。This guidebook, published in 1867, before the Meiji Restoration, devoted 24pages(/70pages long) to Nagasaki, city which had witnessed many cruel Christian martyrdoms and which was the only“window on the West”at our age of isolation. This harbor is not only, historically speaking, unforgettable to Europeans, but also the most admirable of the world from the point of view of the beauty of landscape. The guidebook describes the charms of its nature and climate with a subtle sensibility.
- 2010-02-26
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