自閉症児を対象としたイルカ介在活動の効果―香川県さぬき市での実践事例から―
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概要
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自閉症のような発達障害にイルカ介在活動を適用し,行動の改善を報告した事例が少なからず存在する。今回は香川県さぬき市において,ある自閉症児を対象に行われた実践事例を報告し,イルカ介在活動の効果を検討する。事例は重度知的障害を有する自閉症児が,3日間(4セッション)のプログラムに参加した時のものである。その結果,プログラムにおけるセッションの進行により,行動課題得点の上昇が見られ,かつ,過去(2002年,2004年,2005年)に参加した当地での実践のビデオ記録の解析から,5年間(2002年-2007年)の経年変化としても,行動が漸次的に改善されていた。今回のプログラムにおいても,発語の増加,母子関係を含む対人関係の促進が見られたことから,イルカ介在活動による自閉症児への療育効果が確認されたといえる。これらの結果に基づき,イルカ介在活動・療法の意義,課題と問題点,今後のあり方について論議した。There have been a certain amount of case studies which reported an improvement in behavior in the dolphin assisted activity (DAA) applied to children with developmental disorders such as autism. The present study examined the effect of the DAA program in Kagawa (City of Sanuki) on an autistic child with mental retardation. The child participated in the 3-day program (4 sessions) of DAA showed a significant improvement over the sessions. An additional analysis of video recording for Kagawa’s 2002-, 2004-, and 2005-program also showed a steady improvement in behavior on the year-to-year basis. Significant improvement in the use of words and interpersonal relationship including mother-child relationship suggests the effectiveness of DAA on developmental disorders. Further issues and problems on the activity are discussed.
- 2009-02-27
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