身体障害者の母親の「発達」 : セルフ・エスティームを中心とした2事例を通して
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概要
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身体障害者とその母親は一般にセルフ・エスティームが低く見られがちであるが、一概にそうではない。2組の障害者とのその母親に対しインタビューを実施し、質的に内容の分析を行った。その結果、障害者の母親は障害児出生によってセルフ・エスティームが一時的に低くなるが、それ以降の育児経験や周囲の環境によって、それぞれの行動規範を形成する。規範によってたくましさが生まれ、あきらめ経験とその回復の繰り返しにより、セルフ・エスティームも上下すると考えられ、人間的な成長を果たしていく。障害者自身は、母親の心理状況に少なからず影響されるが、それだけが彼らのセルフ・エスティームを規定するのではなく、自己主張する体験などによって、自立を計ることができる。
- 2002-02-15