障害児の授業におけるストラテジーの検討 : 目標設定と教師-子ども関係のストラテジー・目標設定と教材設定のストラテジーを中心として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
障害を抱えた子どもの授業は、授業の構成要素が相互に関わる独自的複合的性格を有しているがゆえに、授業研究に困難さが生じる。本論文では、授業の要素分析による質的研究を進めるために、ストラテジー概念を導入し、授業事例に基づきながら、授業構成要素間のストラテジーに考察を加えた。その結果、教師-子ども関係が、相互主体的関係として捉えられることにより、目標像が変化し、さらに、教材、教師の指導性、授業の展開過程、評価の視点をも変え、授業のストラテジー自体が変わりうることが示された。また、教材設定を指導領域、発達年齢、生活年齢に即して、変更することによって、目標像が変化し、授業のストラテジーそのものが変化することもわかった。このように、授業のストラテジーに着目し、そのずれを検討することにより、授業の質的改善に寄与することができると思われる。It is difficult to investigate the teaching-learning process of disabled children in classroom because of the unique, complicated characteristics of the process that its elements are mutually related. In order to advance the qualitative research on analysis of the elements of the process, this study uses the notion of strategy and examines strategies among the elements in concrete cases. There are two significant findings. First, the image of instructional aim of the process changes by viewing a teacher-child relationship as an inter-subjectivism, and teaching material, teacher's leadership, teaching procedure and the viewpoint of evaluation also change. Consequently strategies of those elements change. Secondly, by altering teaching material in accordance with subject areas, developmental and life ages, the aim image and strategies of the teaching-learning process also change. This study, which focuses on strategies and their changes, contributes to improving the quality of classroom instruction.
- 大阪教育大学養護教育教室,大阪教育大学聴覚言語障害児教育教室の論文
- 2000-12-25
大阪教育大学養護教育教室,大阪教育大学聴覚言語障害児教育教室 | 論文
- LD児におけるコミュニケーション場面の問題について : 間接発話の理解と応答プロセスの分析より
- 障害児の授業におけるストラテジーの検討 : 目標設定と教師-子ども関係のストラテジー・目標設定と教材設定のストラテジーを中心として
- 集団プレイ・コミュニケーション療法について : スーパーバイザーの覚え書き
- 不登校に関する事例懇談会の試み
- 聾学校児童生徒の「生き物」に関する概念の獲得について : 語連想法による検討