老年期の自己概念に関する縦断的発達研究 : 老人意識の形成過程に関する10年間の追跡調査
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概要
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老人意識の形成過程は、老人意識が一度だけ出現してそれが保持されていくというよりも、利き手の形成過程と同様に、何度か出現と消失を繰り返しながら、次第に永続性のある安定したものへと変化していくのではないか、との仮説の下に、東京都内のT養護老人ホーム入所者170名(調査開始時の年齢範囲60~90歳、平均年齢75.6歳)を対象に10年間の追跡調査を試みた。その結果、7年間以上の追跡調査ができた65名中で36名(55.4%)の者に、老人意識ありと老人意識なしの両時期の交代現象が認められた。また、老人意識ありが続いた者でも、老人意識の出現の時期が回答の度に変動しており、以前には老人意識ありと老人意識なしの交代を繰り返していた可能性が示唆された。何故こうした交代現象が現われるのかについては、絶対評価(個人内相対評価)と相対評価(個人間相対評価)の両者の相対的優位関係の関与の点から検討がなされた。The purpose of this study was to clarify the formation process of self-concept as old in old age. A total of 170 residents in a home for the aged, 61 males and 109 females, with an age range of sixty to ninety years old with a mean of 75.6 years old, served as subjects. They were asked individually whether or not they considered themselves as old in 1977 and followed up for ten years later. Out of 69 persons who could be followed up for seven years or more, 36 persons (55.4%) clearly showed the rotation phenomenon between feeling old and not old with advancing age.
- 1992-02-29
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