親密性としての“性-愛”論の構図
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究ノート/Notes本稿の目的は近代家族と親密圏・親密性についてのこれまでのアプローチを,近代感情現象のシンボルである“愛”の側面から整理することにある。親密圏に関する理論研究において,親密圏は近代家族と同一視されてきた。そして,近代家族間での親密性の靱帯となったのは,異性間の“性”的な関係を含意した“愛情(=恋愛)”であった。近代家族研究,ジェンダー研究などの歴史社会学研究においても,“愛”の存在は自明視され,それに対して政治的視点から評価し,変革しようという研究が蓄積されてきた。“愛”は,まさに家族社会学者やフェミニズムからの糾弾を受ける原因となってきたものの,それ自体が家族ひいては親密圏という存在の否定につながるものではない。“愛”は,“家族関係の維持”という点でもある種の安定性を持っていたと同時に,“性”という衝動的な感情を含みこむことから生じる不安定性・衝動性と共存する役割を果たしてきた。本稿では,このような“性”と“愛”の関係から,親密圏を親密たらしめる持続性の構造的内実の一端を明らかにすることで,その否定・肯定のどちらかに終始するのではない親密性概念を抽出する為のアプローチを見出そうとする。The paper considers the relationships between the modern family and intimacy analyzed by “love” as a symbol of emotionality. When most researchers discuss the theory of the private and intimate sphere, they regard that sphere as a modern family. So, the notion of “intimacy” is often equal to the ties of the members in a modern family. Intimacy such as “affected family and conjugal affection” gives the image as freedom, peace and stability. But, a recent paper considers the considerable problems such as the individualization and diversity of family forms. As above mentioned, intimacy has been given a positive image and a negative image. In this article, the sociological approach, family historical approach, and the feminism approach are mentioned, and analyzed from two sides as “sexual intimacy” and “emotional intimacy”. Through these analyses, we know that “sexual intimacy has an impulsive and unstable nature, while on the other hand, “emotional intimacy” has vitality and a stable nature. Both are reciprocal compliments. // In this paper, I not only give the positive or negative image, but present the way of approach about why people have intimacy and what elements form that connection.
- 2010-03-30
論文 | ランダム
- 49. 教室における治癒手術再発例(第32回食道疾患研究会)
- 焼入れ性向上効果におよぼすボロン添加量の影響
- 157. 食道癌術後の消化吸収 : とくに蛋白質代謝を中心に(第7回日本消化器外科学会大会)
- RS-34 アカラシアに対する腹腔鏡下Heller-Dor噴門形成術の治療成績(要望演題7 食道アカラシア,第62回日本消化器外科学会定期学術総会)
- VW-1-1-3 食道・噴門部機能性疾患に対する腹腔鏡下手術のコツ(ビデオワークショップ1-1 鏡視下手術の普及のために-より易しくする手技上のコツ-消化管,第62回日本消化器外科学会定期学術総会)