吹奏楽における「息の合う」演奏の促進に及ぼす動作法の効果
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概要
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This study examined the facilitating effect of Dohsa-method relaxation on "Iki-no-Au" (interactional synchronization of breathing) brass band performance. Participants were 51 students belonging to a university brass band orchestra. They were assigned either to an Experimental group (n = 26) or a Control group (n = 25). The Experimental group underwent Dohsa-method relaxation between pre and post performances, while the Control group did not receive any particular intervention and only took a 15-minute rest. Before and after playing three short etudes from a "3D band book", they completed questionnaires concerning their feelings about their body condition ("Body condition during performance scale"), "Iki-no-Au" performance ("Playing condition scale"), and the mood of members during the performance ("Atmosphere scale"). Later on, performance execution was assessed using a "Performance scale." Results were as follows: the Experimental group showed improvement in bodily condition, playing atmosphere, and interactional synchronization of breathing after the comfortable experience of mind-body integration through Dohsa-method relaxation. Evaluation of performance also improved after Dohsa-method relaxation. These results are discussed in terms of shared positive mind-body experience through Dohsa-method relaxation. 本研究では、動作法による吹奏楽における「息の合う」演奏の促進効果について検討した。参加者は、吹奏楽部に所属する学生51名である。これらの参加者は、動作法を行う実験群26名と統制群25名とに分けられた。演奏に使用した曲目は、吹奏楽の基礎練習用に作成された「3Dバンド・ブック」の3曲である。演奏の前後に、「演奏中の身体の状態尺度」、「演奏中の演奏状態尺度」、「演奏中の雰囲気尺度」が実施された。演奏の評価には、「曲の仕上がり度尺度」を用いた。その結果、実験群は、統制群と比較して、「演奏中の身体の状態尺度」の下位尺度(「身体の軽さと躍動感」と「身体のリラックス感」)の得点が上昇した。また、「演奏中の雰囲気尺度」の得点も上昇した。「演奏中の演奏状態尺度」の2つの下位尺度(「音楽の作り方の一致」と「演奏中の同期」)の得点も上昇した。これらの結果は、動作法による心身の快適な体験によって演奏者相互の信頼感や一体感が向上し、「息の合う」演奏が促進されたことを示唆している。また、実験群では、「曲の仕上がり度尺度」得点も上昇した。このことから、「息の合う」演奏は、聴衆に対して心地よい印象を与えることが示唆された。
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