科学観測気球の信頼性の向上
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概要
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高圧ポリエチレン・フィルムで作った大型気球は,科学観測の有力な一手段であるが,風速の早いジエット気流層を上昇中,往々突然破壊落下する.その原因は,激しく,衝撃的に気球が叩がれたり,揉まれたりするが,他方,初期の球皮フィルムは,力学的直交異方性が強く,低温での二軸延伸性が不足しているためと考えられる.筆者はロックーン以来のこの課題について,昭和41年以降年間数十台の科学観測気球が,製作放球されるのを機会に.フィルムの成形に,従来,全くその概念の用ひられていなかった縦横加工比を導入,フィルムの強い異方性を年々改良した.その結果,気球の上空破壊率は,極めて良い対応を示し,遂に零に低下した.また生研に,新しい極点図形測定装置が設けられたの機に,念願のフィルムの結晶配向を測定し,予測通りの結果を得た.
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