校内里山づくりを核とした学校臨床改善プログラムの構築(4) 「秘密基地づくり」「マコモプロジェクト」の取り組みを通して
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概要
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学校現場では、いじめや不登校、友達関係がつくれないなど、自分の身体性と学校空間との間に齟齬を来すような様々な臨床課題が後を絶たないでいる。この間の奈良教育大学附属中学校の「学校の森」(以下「裏山」と呼ぶ)を舞台にしたクラブ活動(裏山クラブ)においても、上記課題を抱えた生徒たちが入部し、森の中での活動を介してお互いが人間関係づくりのスキルを積みあげ、自分の課題を克服して学校生活を送っている。これは、森(ここでは、人の手の入った2次林である里山)との関わりの中で自らの「いのち」を深めたからではないかと考える。ここでいう「いのち」とは、①社会性(社会的公正や公共性、倫理観も含め) ②共感性 ③感受性 ④霊性(歴史・文化的な叡智)など、子どもたちがかつておとなへの成長の過程で組み込んでいった「生活空間」(かつての共同体の知恵や教育システムの体系)を構成してきた要素の有機的連関として捉えている。本研究は、裏山クラブを対象としている。前半は、「秘密基地づくり」の取り組みを、子どもたちが「隠れる」ことに注目して考察を行う。後半は、里山再生を地域の実践と結ぶ試みとして、前回に引き続き宮川流域ルネッサンス協議会の協力を得て、上流域の中山間地域で取り組まれている「マコモ田づくり」からの「水系からのアプローチ」の取り組みを紹介する。彼らの日常である「学校空間」から「生活空間」へと、秘密基地やマコモを通してどのようなアプローチを行い、「学校空間」を拡張し、自ら変容をとげていくのかを記述しようと試みた。
- 2010-03-31
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