日本事情指導の実際
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概要
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日本政府が15年前に打ち出した「留学生10万人計画」は、バブル経済の崩壊=経済大国としての日本の魅力の低下、一向に改善されぬ日本の大学入試選抜制度、入国手続きの煩雑さ等々幾多の要因が災いして、留学生数がこの2、3年頭打ち状態からついに減少に転じ、事実上破綻したといえる。もっとも文部省は-一旦掲げた目標や数値はよほどのことがない限り修正しない、愚かしい官僚主義の通弊で-これを認めようとせず、あくまで2000年時点での10万人達成を「目指す」と依然公言しているが、最早それが絶望であることは、関係者の間ではすでに常識である。私見だが、今度は「ただ何となく」といった浅い動機や、いささか衝動的な日本留学希望者は減少し、真に日本で学ぶことの意義を自覚した、意識の高い留学生の比重が高まっていくように思われる。とすればその人々は、日本語の習得はもとより、日本の文化や生活様式、歴史といった諸事情にも深い関心を有し、積極的にこれを学習しようと努めることが予想される。日本語の学習と日本事情の学習とは、車の両輪の如く密接な関連があると従来より言われ、日本語教育は広義の日本事情教育の一部分であるという意見さえあるほどだが、このことが一層真実味を帯びて実感されるようになっていくであろう。少なくとも、日本事情の指導は日本語教育に付随する(瑣末な)添え物というような--特に言語学方面の専門から日本語教育の分野に入った人々に往々見られる--捉え方は、妥当性を欠くことになると思われる。それに伴い、日本事情の教授法なるものも、その具体的実践例をふまえながら様々に研究されていく必要が生じよう。本稿はそうした見通しを抱きつつ、私自身が日頃取り組んでいる実例を示し、併せてより望ましい教育実践のあり方を考察しようと図ったものである。
- 1999-03-10
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