中国の小学校における身近な小動物を用いた「動物の体のつくり」に関する授業の実践
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概要
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中国の小学校理科の授業では教科書を主体とする学校が一般的で、観察や実験はほとんど行われていない。生物分野の授業で「動物の体のつくり」の学習の中で血流や心臓を観察することは、児童に関心をもたせるだけでなく、生命を実感させることができる重要な体験になる。そこで、中国の小学校でも扱うことのできる教材生物と観察内容について検討し、中国の一般的な小学校で6年生を対象として授業を実践し、児童および教師の反応を調べた。ドジョウとミジンコの入手が容易であったことから、授業内容はこれらの循環系の観察とした。児童らはドジョウやミジンコを知っているものの、内部構造を見るのははじめてであり、他の動物の体のつくりにも関心を高めるものであった。授業参観した教師らは教材が面白く、児童の好奇心や探究心を呼び起こすものであると評価し、実物を見せることの必要性を感じていた。ドジョウやミジンコの飼育を希望する児童もいたことから、中国でも小動物の観察と飼育を実施する意義は大きいといえる。
- 2009-03-31