新宮恒次郎の数学教育論について : 特に関数や関数の考え方に対する教育を中心にして
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概要
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本稿は、新宮の関数や関数の考え方に対する教育に焦点化しその考察を行うことを目的とした。考察の結果、新宮は数学教育の目的を小倉の数学教育の帰趨と同じ「科學的精神の養成」とし、その方法はペリーの立場にたって、科学的精神は大自然から学ぶものであるとした。その中心となるものが関数概念であると考えたのである。その関数概念は「定性的」見方から「定量的」見方へと変わるときその中心において関わってくるものと考え、特に自然現象を理解するときに必要であるとした。そして関数概念の養成のためにグラフの重要性を強調したのである。これらを「学校数学( 自然、社会を対象として、直観・経験を基礎とする数学) 」という枠組みの中で捉えている。この「学校数学」を成功させるために、融合主義・実験実測・実用価値・教育心理学の必要性を訴えたのである。
- 近畿数学教育学会の論文
- 2002-02-23
近畿数学教育学会 | 論文
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