三角形の合同条件に関する史的考察(5) : 『新主義数学』からの示唆
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概要
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三角形の合同条件の授業においてよく行われる実践は、3要素を与えて三角形をかかせ、3つの合同条件を教えるというものである。しかしその授業では、2辺夾角相等・2角夾辺相等・3辺相等の3つ以外の合同条件が出るが、その合同条件は、合同条件と認めないで授業を進めていく。生徒の発想や発見は結局認められないのである。筆者は、もっと自由な発想・発見的学習ができるのではないかと考え、5つの合同条件を認めている『新主義数学』を分析・考察し、何らかの示唆を得ようと試みた。その結果、『新主義数学』は合同な三角形のいろいろなかき方に対して対応していることがわかった。このことは、生徒の思考の柔軟性あるいは多様な考え方に対応できると考えられる。『新主義数学』の指導からすると、教師も教科書も、もっと多様性のある方向で三角形の合同条件を扱えるのではないだろうか。我々教師は、教科書では扱っていないという理由だけで、生徒の発想の多様性を奪ってはならない。
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