急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔に対する心内膜パッチを用いた左室形成術の一治験例
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概要
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急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔(以下、VSP)に対する外科治療は、現在ではDavidらの提唱したendocardial patch with infarct exclusion(Komeda-David法)が一般的であり、また手術時期に関しては可及的早期に施行するのが通例となっている。しかし、心筋梗塞後急性期には梗塞部心筋は脆弱で、同部の縫合不全により遺残短絡が発生することが以前より指摘されている。術後の遺残短絡の有無が早期成績に強い影響を及ぼすため、これをなくすことは手術成績の向上につながると考えられる。今回、血行動態が安定していたため発症2週間後に手術を施行し良好な成績を得た症例を経験した。このように術前安定した血行動態の症例では、梗塞部心筋が安定化する発症10日目以降の待機手術も考慮すべきと考えられた。