市立室蘭総合病院形成外科における皮膚・皮下腫瘍の統計的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
形成外科の診療分野において皮膚皮下腫瘍の診断、治療は大きな範疇を占める。当科における過去7年間の病理学的診断の確定した皮膚皮下腫瘍を集計し統計し他施設と比較検討を行った。対象は、1997年2月から2003年12月までの6年11ヶ月間に市立室蘭総合病院形成外科で施行された生検、及び手術標本とした。他院との比較検討のため皮膚腫瘍の組織学的診断基準および系統分類についてはLeverの教本を基準とした。結果は、生検及び手術材料の総数は1357例で、そのうち皮膚・皮下腫瘍は1121例を占めていた。腫瘍の系統別としては皮膚腫瘍1121例中、表皮系腫瘍は504例、表皮付属器系腫瘍は78例、転移腫瘍は5例、線維系腫瘍は72例、脈管系腫瘍は36例、脂肪・筋・骨系腫瘍は95例、神経系腫瘍は35例、良性色素性腫瘍・悪性黒色腫は294例、リンパ腫・白血病は2例であった。これらの結果を平塚共済病院皮膚科における10年間の皮膚・皮下腫瘍の統計と比較してみた。皮膚科と形成外科という科による違いや治療法の違いにより皮膚皮下腫瘍の頻度の差が生じているものと考えられた。当科における悪性腫瘍の新患患者総数に対する割合が大学病院並みに高かったが、当院が地域医療の基幹病院であり皮膚悪性腫瘍が集まりやすい傾向もあることながら、皮膚皮下腫瘍の治療が当科において大きな範疇を占めていることに由来するためと推察された。
論文 | ランダム
- 須田国太郎の作品をめぐりて
- 東大闘争の到達点と今後の課題 (今日の大学問題-3-(特集))
- 東大闘争の意義と任務 (今日の大学問題(特集))
- 『サントスの御作業』源流考序説
- 吉利支丹文献に現われた「天主」なる語をめぐって--明版の天主教書との交渉