当科にて治療中の統合失調症患者の実態調査
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概要
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統合失調症は、患者の社会生活にも大きな影響を与えてしまうことの多い疾患であるが、その具体的な状況に関して調査した報告は少ない。今回は、平成14年6月の時点で当科で治療中の統合失調症患者の病状・経過・生活状況などについて調査した。協力が得られたのは474人で、男性242人、女性が232人であった.治療形態としては外来が376人、入院が98人であった.調査結果からは、統合失調症は10歳代半ばから30歳代半ばまでに好発して就学の妨げとなり、その後も再発を繰り返して複数回、長期の入院を必要とし、そして病状が落ち着いたとしても残遺症状を残し、就労、結婚の大きな障壁になっていることが改めて確認された。このような状況を改善する為には、退院や就労を支援する社会的資源の充実など、行政レベルでなければ解決できないと思われる面も多かった。平成14年12月24日に障害者基本計画が閣議決定され、それに沿って障害者施策推進本部が定めた重点施策実施5カ年計画では、精神障害者に対するホームヘルパー、共同住居、授産施設などを充実させていく事がもりこまれている。今回の、当院にて治療中の統合失調症患者の調査結果から導き出された課題に合致する点も多く、これらの計画が実行されることにより、統合失調症患者のハンディキャップが少しでも緩和されることを期待したい。
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