行政保健師が認識する介護予防の効果と効果につながる実践-地域包括支援センターにおけるケアマネジメントの実践をとおして
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概要
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地域において介護予防体制づくりに取り組む保健師が,介護予防ケアマネジメントを実践する中で認識している介護予防の効果および効果につながる実践として実施していたことを地域包括支援センターの9名の保健師への半構成的面接調査より明らかにした。保健師は,介護予防の効果を【認定結果が軽くなり,身体・精神・社会面における生活機能が拡大】(以下,効果Ⅰ),【認定結果は変化していないが社会活動面が拡大】(以下,効果Ⅱ),【身の回りのことにおいて,できることは自分でやるという意識の変化とやれるという自信を獲得】(以下,効果Ⅲ)と認識していた。効果につながる保健師の関わりとして,効果Ⅰに対して,《本人へ目標を継続して伝え励ます》,効果Ⅱへは,《サービス利用時の本人の前向きな気持ちを受け止める》,効果Ⅲには,《本人・家族とできるところを一緒に確認する》といった実践が関係していた。介護予防ケアマネジメントの実践に関連する条件として,地域包括支援センター内の職種間,サービス事業者,保健衛生部門の保健師との情報の共有と,地域包括支援センター内での3職種それぞれが専門性を発揮し,そして他職種の専門性を活用することが必要であった。そして,介護予防ケアマネジメントという個別への支援を展開しながら,地域包括支援センターの他の業務にも関わること,地域全体を捉えるようにすること,ケアマネジャーのケアマネジメントの質向上を図るといった介護予防ケアマネジメントという個別の支援に留まらない業務を展開することが必要であるとし,実践していた。The purpose of this study was to clarify public health nurses'(PHNs)recognition of the effectiveness of preventing functional decline and related practices through care management(C/M). Data were collected through semi-structured interviews of 9 PHNs working in comprehensive community support centers(CCSC). PHNs recognized the following effectiveness of preventing functional decline through C/M. Patients' screening results were sometimes better after their physical, mental and social activities were expanded. Patients sometimes demonstrated expansion of social activities within the same screening level result, had a change of consciousness and did more by themselves with improved self-confidence. PHNs' support guided the effectiveness of functional decline prevention. PHNs told the patients the objective of improving daily life activities and encouraged them continuously. PHNs encouraged a positive frame of mind of the patients using the service, and promoted them to do more things by themselves, and with their families. Conditions related to practices of C/M: It was necessary for the service providers, the health section, and CCSC to share information with each other. It was also necessary for each specialist to give full play to their specialty and make good use of the other professionals'skills to provide effective C/M. PHNs presented the following practices that are not confined to individual support through C/M: Being concerned with the other undertakings in CCSC, being aware of the communities' resources and needs at large to prevent functional decline, and working to improve the quality of C/M by the care managers.
- 2008-12-30
著者
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