差別化製品の継続販売における価格差別モデル
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概要
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樫原正勝教授退官記念号論文水平的に製品差別化された市場において企業が同一製品を継続して販売する場合に関する既存研究によると,消費者の選好の違いとスイッチング・コストの存在によって,企業は顧客を囲い込んでからのちに独占的な価格を設定することができる。その反面,本研究では,複数の企業間競争が考慮される場合には,企業が独占的に価格を設定するより新規顧客を割引する形の戦略を選択する均衡が現れることをモデル分析によって明らかにした。その理由は,第2 期(囲い込み後の販売)での独占効果を得るために第1期(初期販売)に激しく顧客確保競争を行うからである。それよりは,新規顧客割引を通じて第1 期での価格競争を第2期に分散させたほうが有利になる場合もある。特に,消費者の留保価格が高いほど,確保した顧客から次に得られる利潤が大きくなるので,最初の段階から激しい競争が展開される。新規顧客割引は,期間が経過しても消費者を奪い取る機会を増やすことで,最初における企業間競争を緩和させる効果を発揮する。また,スイッチング・コストが小さい場合には,消費者を奪い取れる可能性がより大きくなるため,この価格差別はもっと効果的になる。
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